精算幅は、SES契約で「月の稼働がこの時間の範囲に収まっていれば基本単価のまま、はみ出した分だけ増減する」と決めた時間の幅のことです。140〜180時間が多く、上限を超えた時間は超過単価を掛けて加算し、下限に届かなかった時間は控除単価を掛けて減額します。単価の出し方には、超過は基本単価を上限で割り、控除は下限で割る「上下割」と、どちらも上限と下限の中間時間で割る「中間割」があり、円未満の端数をどこで丸めるかも会社によって違います。月末に勤務表が揃ってから技術者の数だけこの計算を繰り返し、請求書と支払明細の両方に転記するのが担当者の仕事で、方式や丸め方を一人だけ間違えると数百円の差が請求先との照合で見つかります。このツールは、技術者ごとの単価・精算幅・実稼働時間を行で貼り付けると、選んだ方式と端数処理を全員に同じ条件で当てて、超過・控除額と請求額を一覧で返します。
使い方
入力欄に、技術者ごとに「名前 単価 下限 上限 実稼働時間」の順で1行ずつ書きます。区切りは空白かタブです。「山田 600000 140 180 185.5」は、基本単価60万円、精算幅140〜180時間の山田さんが185.5時間稼働した、という意味になります。単価は「60万」「600,000円」のどちらの書き方でも読み、精算幅は「140-180」や「140〜180」のように1つにつなげても構いません。実稼働時間は「185.5」のほかに「185:30」の時分表記も受け付けます。名前を省略すると「技術者1」のような連番になり、精算幅を省略した行には、結果欄の下で選んだ幅を当てます。
「精算額を計算する」を押すと、1行目に人数と超過・控除・幅内の内訳、2行目に基本単価の合計と超過額・控除額・請求額の合計が出ます。3行目は計算に使った方式と端数処理の要約です。区切り線の下は技術者ごとの行で、「185.5h → 超過5.5h × 3,333円 = +18,331円 → 618,331円」のように、はみ出した時間、時間単価、増減額、精算後の金額が並びます。幅に収まっている人は「幅内」とだけ出て基本単価がそのまま金額になります。
結果の下の選択肢は契約書の精算条項に合わせるためのものです。「精算方式」は上下割・中間割に加えて、超過を下限で、控除を上限で割る逆の取り決めも選べます。「円未満の端数処理」は、時間単価と精算額の両方に同じ丸め方を当てる3種類と、時間単価は小数のまま掛けて精算額だけを丸める3種類があります。Excelで単価を丸めずに掛けている会社は、後者から精算額の丸め方に合うものを選ぶと一致します。「消費税10%を加えた税込額も出す」にチェックを入れると、各行と合計に税込額が付きます。どれを変えても、結果が出ていれば押し直さずに計算し直すので、契約書と突き合わせながら切り替えて確かめられます。
仕組み
計算は行ごとに3段階です。まず方式に従って時間単価を出します。上下割なら超過単価は基本単価÷上限時間、控除単価は基本単価÷下限時間です。60万円で140〜180時間なら、超過単価は600,000÷180で3,333.33円、控除単価は600,000÷140で4,285.71円になります。中間割は上限と下限の平均である160時間で割るので、どちらも3,750円です。次に端数処理で時間単価を確定させます。切り捨てなら3,333円と4,285円、四捨五入なら3,333円と4,286円です。最後に、実稼働時間から上限を引いた超過時間、または下限から実稼働時間を引いた不足時間に、確定した単価を掛けて円未満を処理し、基本単価に足すか引くかして精算後の金額を出します。
端数処理の順序を選べるようにしているのは、同じ契約でも「単価を丸めてから掛ける」会社と「丸めずに掛けて最後だけ切り捨てる」会社があり、結果が数円ずれるからです。たとえば控除9時間なら、4,285円×9で38,565円、4,285.71円×9を切り捨てて38,571円と、6円の差が出ます。請求書と支払明細でどちらの方式を採るかは契約書に書かれていることが多いので、そちらに合わせてください。
税込額は、各行の精算後の金額と合計のそれぞれに10%を掛け、円未満を切り捨てた値です。行ごとの税込額を足した数字と合計の税込額は、切り捨ての回数が違うため1円単位でずれることがあります。1通の請求書にまとめる場合は、税率ごとに1回だけ端数処理をする決まりなので、合計の税込額を使ってください。
よくある質問
Q. 有給休暇や欠勤で下限を割った月はどう入力しますか。 契約によって扱いが分かれます。有給を稼働時間に含めて数える契約なら、その時間を足した実稼働時間を書いてください。含めない契約なら実際に働いた時間だけを書き、下限に届かなかった分が控除として出ます。忌引などの特別休暇を控除の対象外にしている会社もあるので、勤務表の時間をそのまま貼る前に、精算条項のどの時間を稼働に数えるかを確かめてください。
Q. 超過も控除もない固定精算の技術者が混ざっています。 その行の精算幅を、実稼働時間が必ず収まる広い範囲にしてください。たとえば「1-999」と書けば、1時間以上働いた月は常に幅内となり、基本単価がそのまま請求額になります。
Q. 単価や名前を貼っても外に出ませんか。 貼り付けた内容はこのページの中だけで計算に使われ、どこにも送信されません。取引先名や単価の付いた一覧を貼っても、ページを閉じれば消えます。
Q. 稼働時間を15分単位に丸めてから計算したいのですが。 このツールは時間の丸めを行わないので、勤怠システムや契約で決めた単位に丸めた後の時間を書いてください。「185:30」のように分で書けば、0.5時間として読みます。
Q. 精算幅が「140〜180」ではなく「150〜200」の人がいます。 行ごとに精算幅を書けるので、その人の行にだけ「150 200」や「150-200」を入れてください。幅を書かなかった行だけが、結果欄の下で選んだ共通の幅になります。